資格等の勉強の合間に息抜きとして少しずつ読み進め、先月読了した「ベイジン」について所感をお伝えします。
この「ベイジン」は映画化もされたハゲタカシリーズの著者である真山仁です。
私個人としては、ハゲタカシリーズを全作読了するほど、真山仁の本(作品)が好きですね。
そのため、本書は真山仁の本(作品)ということで手に取った次第です。
以下、所感です。
本書は小説になります。
主に中国を舞台として、北京オリンピックの開催と同時に世界最大規模かつ最新鋭の原発を稼働(運転開始)させるストーリーになっています。
本書を読了したことで、個人的には以下の気づき(学び)がありました。
- 北京オリンピックに突き進む中国の表の世界と裏の世界の違いから浮かび上がる、先進国に成り切れない闇の深さ。
- 原発の仕組みと恐ろしさ。
- サラリーマン(組織人)としての立ち回り方。
- 社会人としての仕事に対するスタンス、そして矜持の大切さ。
フィクションながら、そう思わせないリアルな描写はさすがの一言です。
また、本書を書き上げるに際して、中国事情を把握すべく現地中国での取材の他、原発についても専門家に取材等をされています。
それを素人にも分かるように丁寧に本書に落とし込んでいることから、より一層リアルに仕立て上げられているのではないかと感じました。
また、本書の最後のあたりに出てくる、「絶望からは何も生まれない」といった部分から、「希望」につながれる展開は心に響くものがありましたね。
本書は上・下巻で結構なボリュームがありますが、サラリーマン(組織人)として働かれている方だと、より考えさせられる点や共感できる点が多いのではないかと思います。