普段はあまり読むことがない純文学の「影裏」を読んでみました。
短編小説であるため、ものの1時間程度で読了できます。
第157回の芥川賞受賞作であり映画化されていたため、ずっと気にはなっていました。
読了してみて、ストーリー全体として個人的には好みでした。
純文学独特の自然描写や人間関係をやんわりと想像させる表現等、感心させられました。
場面展開ははっきりとしておらず、好き嫌いがありそうですが、あえてはっきりさせない展開にすることでストーリー全体がまとまっているのではないかと感じました。
つまりは行間を想像すること、または読み解くことですね。
読み返すごとに違った視点でストーリーを楽しめると思うほど、深いものに仕上がっている部分も特徴だと思います。
それゆえに、丁寧にストーリーをさらう読み方をせず、さっと読み流すとあっけなく、??で終わってしまうこともあるかと思います。
純文学によって人間関係の機微に触れることはいつも新鮮であり、心が洗われるような気がします。