本書は2019年におけるビジネス書ランキングで年間ベストセラー1位になっています。
そういったこともあり、今さらながら読んでみました。
以下にて本書の感想をお伝えします。
章立て
第1章 メモで日常をアイデアに変える
第2章 メモで思考を深める
第3章 メモで自分を知る
第4章 メモで夢をかなえる
第5章 メモは生き方である
終章 ペンをとれ。メモをしろ。そして人生を、世界を変えよう
概要
僕にとってメモとは、生き方そのものです。メモによって世界を知り、アイデアが生まれる。メモによって自分を知り、人生のコンパスを持つ。メモによって夢を持ち、熱が生まれる。その熱は確実に自らを動かし、人を動かし、そして人生を、世界を大きく動かします。誰にでもできるけど、誰もまだ、その魔力に気付いていない「本当のメモの世界」へ、ようこそ。
引用元:「BOOK」データベース
感想
本書は著者である前田裕二氏自身の実体験をもとにした、メモの効能が解説されています。
普段、仕事を除いて、メモを細かく取っている方は少ないのではないでしょうか。
私は今までそのようなことをしたことがありません…。
スマホにて、備忘録程度にToDoをメモすることはありますが。
著者は常日頃からメモ帳(モレスキンを愛用)を持ち歩き、事あるごとに気づきなどをメモしているようです。
メモを通じて、自己分析することのほか、思考を深堀りすることでアイデア出しにもつなげています。
そしてそれを夢の実現にまで昇華させています。
そういったことから、メモの効能に改めて目を向ける価値はありそうだと感じました。
本書ではメモの効能だけでなく、どのようにメモすべきかといった著者なりの一案も提示されています。
その骨子は時系列として、以下のとおりです。
②抽象化
③転用
「ファクト」については、自身の琴線に触れたものや何かしら引っ掛かりのあったものを対象として、とにかくメモすることを指南しています。
テクニックを求めずに、とにかくメモすることに価値があると。
それを受けた「抽象化」では、以下3つの型による切り口で深堀りすることを指南しています。
・How型
・Why型
ロジカルシンキングでも活用されるものですね。
3つの型による切り口で深堀りすることによって、本質をつかむわけです。
そして最後、「転用」によって自身の夢や目標の達成に向けたアクションプランにつなげます。
個人的には、この「転用」の段階まで進めることが肝要だと思いました。
なぜならば、アクションプランまで昇華させた「転用」の段階に進めることで、はじめて生産的なものになると感じたためです。
ファクトからの抽象化までの段階でとどまってしまっていると、単に自身の思考を深堀りするだけのようなある種、非生産的な意味合いで落ち着いてしまいそうな気がしますので。
ただし、これは生産性に軸足を置いた捉え方ですので、当然、別の捉え方や意見もあると思います。
また本書では、著者が提示している上記の骨子をもとに、著者流の具体的なメモが参考例として図示化されています。
全体のレイアウトやその書き込み方などが整理されており、非常に斬新でした。
著者のメモを見ることで、思考を深堀りする上では言語化が大事なことであると気づかされると思います。
その他、著者の字が綺麗でした(笑)
そのあたりも含めて、メモの活用法として、まずは著者流の手法を丸パクリしたいと思います。
そして、「ファクト→抽象化→転用」といったメモのプロセスを通じて、思考を深堀りすると同時に、その言語化を図ることで、夢や目標の達成のつなげていきたいと思います。
ある程度慣れてきたところで、自己流にアレンジ(最適化)しつつ。
本書はメモを機能としてより効果的に活用したい方だけなく、著者流の思考の深堀り手法を知りたい方にもオススメの一冊です。
◆蛇足◆
著者は私と同じ年であり、同じように金融機関でキャリアのファーストステップを踏んでいます。
同じ金融機関といっても、著者は外資系大手金融機関であり、段違いですが…。
著者の今までのキャリアや現在の活躍を見ると、私と同い年とは到底思えず、ただただ反省させられました。
これも努力の差ですね。