飛ぶ鳥を落とす勢いで成長しているニトリ、そして名実ともに優れた経営者である似鳥昭雄氏に興味があり、本書を読んでみました。
以下にて本書の感想をお伝えします。
章立て
- 人も会社も、原則は同じ
- 「ロマン」で人は生まれ変わる
- 「ビジョン」があるから成功できる
- 「意欲」は高い目標から生まれる
- 「執念」なくして、成功なし
- 「好奇心」が革命のもとになる
感想
本書では著者である似鳥昭雄氏の生い立ちにも触れられています。
そこでは、著者は勉強ができずに落ちこぼれであったことが赤裸々に紹介されています。
裏口入学での高校進学やカンニングを繰り返しての進級など、今では考えられないことをくぐり抜けています。
当時の著者を知っている方であれば、今の姿はまったく想像もできなかったと思います。
そのような落ちこぼれであった著者が、今のニトリを築き上げるまでのプロセスにおいても当然、順風満帆ではありませんでした。
行き当たりばったりで事業を開始したため、資金繰りに窮し、いつ倒産してもおかしくないような綱渡りの経営。
その結果、お金がなく不健康な食生活が続き、歯茎から出血するような状況までに陥ってしまっています。
相当厳しい状況であったと見受けられますが、ギリギリでも倒産しなかったことは運にも恵まれていたような気がしますね。
そういった地元北海道での創業から軌道に乗せるまでの試行錯誤もリアルに描かれており、文面から苦労や喜びがひしひしと伝わってきました。
やはり苦労した分、得られたものも多かったようです。
それを本書のタイトルでもある「成功の5原則」としてまとめています。
その5原則は以下のとおりです。
- 「ロマン」
- 「ビジョン」
- 「意欲」
- 「執念」
- 「好奇心」
この5原則のなかでも、「ロマン」が最も大事であると指南しています。
人のため、世のため、人生を賭けて貢献したいと考えることが「ロマン」にあたります。
その「ロマン」を具体化させるべく「ビジョン」を掲げて、それを数字に落とし込み、実際の経営計画にも反映させています。
このような手法は外部研修での学びを自己流にアレンジした上で経営に活かしているものであり、現在の実績からも、著者が落ちこぼれであったようにはとても思えないですね。
天才的な感覚を持つと同時に、努力家であることが奏功している気がします。
また、「ロマン」や「ビジョン」を掲げるだけでなく、「意欲」や「執念」、そして「好奇心」を持って働くことの大切さを著者自身が先頭に立って社員に示していることは非常に大事なことだと思います。
まさに率先垂範ですね。
この5原則については、経営者だけでなく、一般のサラリーマンにとっても活かせるものだと感じました。
本書を読むことで、経営者マインドを学べるほか、ニトリの着実な成長理由を知ることができます。