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【社労士】年5日の年次有給休暇の取得義務

社労士

10月は全国共通で「年次有給休暇取得促進期間」になっているそうです。

私は知りませんでした…。

そこで2019年4月より施行された「年5日の年次有給休暇の取得義務」のポイントをお伝えします。

ご参考にどうぞ!

年次有給休暇(年休)

まずは、総論として年休についてです。

発生要件

労基法において、以下の2点を満たすことで年休を取得することができます。

①雇入れの日から6か月継続して雇われている。

②全労働日の8割以上を出勤している。

付与日数

◆原則

使用者は発生要件の2点を満たすことで10日の年休を与えなければなりません。

なお、その対象労働者には管理監督者や有期雇用労働者も含まれます。

また、継続勤務年数に応じて以下のとおり、付与日数も変わっていきます。

継続勤務年数6か月1年6か月2年6か月3年6か月4年6か月5年6か月6年6か月
付与日数10日11日12日14日16日18日20日

◆比例付与

パートタイム労働者等、所定労働日数が少ない労働者については、年休の日数は所定労働日数に応じて比例付与されることになります。

その対象者となる条件は以下のとおりです。

・所定労働時間が週30時間未満

かつ

・週所定労働日数が4日以下または年間労働日数が216日以下

付与日数は以下のとおりです。

週所定労働日数1年間の所定
労働日数
継続勤務年数
6か月1年6か月2年6か月3年6か月4年6か月5年6か月6年6か月
4日169日~
216日
付与日数
 7日 8日9日10日 12日 13日15日
3日121日~
168日
 5日6日6日8日 9日10日11日
2日73日~
120日
3日 4日 4日5日6日6日 7日
1日48日~
72日
 1日2日 2日2日 3日 3日3日 

年休付与の際の留意点

◆年休を与えるタイミング

年休は、労働者が請求する時季に与えることとされているので、労働者が具体的な月日を指定した場合には、「時季変更権」による場合を除き、その日に年休を与える必要があります。

◆時季変更権とは?

使用者は、労働者から年休を請求された時季に、年休を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合(同一期間に多数の労働者が休暇を希望したため、その全員に休暇を付与し 難い場合等)には、他の時季に年休の時季を変更することができます。

◆年休の繰り越し期間(時効)

年休の請求権の時効は2年であり、前年度に取得されなかった年休は翌年度に与える必要があります。

※翌々年には繰り越しできない。

◆不利益取扱いの禁止

使用者は、年休を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければなりません。

年5日の年次有給休暇の取得義務

次に、各論として年5日の年休の取得義務についてです。

対象者

年休が10日以上付与される労働者になります。

時期指定義務

使用者は、労働者ごとに、年休を付与した日(基準日)から1年以内に5日について、取得時季を指定して年休を取得させなければなりません。

時期指定の方法

使用者は、時季指定に当たっては、労働者の意見を聴取しなければなりません。

また、できる限り労働者の希望に沿った取得時季になるよう、聴取した意見を尊重するよう努めなければなりません(努力義務)。

時期指定が不要の場合

既に5日以上の年休を請求・取得している労働者に対しては、使用者による時季指定をする必要はなく、また、することもできません。

※労働者が自ら請求・取得した年休の日数や、労使協定で計画的に取得日を定めて与えた年休の日数(計画年休)については、その日数分を時季指定義務が課される年5日から控除する必要があります。

年次有給休暇管理簿

使用者は、労働者ごとに年次有給休暇管理簿を作成し、3年間保存しなければなりません。

※時季、日数及び基準日を労働者ごとに明らかにした書類(年次有給休暇管理簿)を作成し、当該年休を与えた期間中及び当該期間の満了後3年間保存しなければなりません。

※令和2年4月施行の改正で、5年間に延長されたが、当分の間は3年間とされています。

就業規則への規定

休暇に関する事項は就業規則の絶対的必要記載事項(労働基準法第89条)であるため、使用者による年次有給休暇の時季指定を実施する場合は、時季指定の対象となる労働者の範囲及び時季指定の方法等について、就業規則に記載しなければなりません。

罰則

以下のとおり、罰則が規定されています。

違反条項違反内容罰則規定罰則内容
労働基準法
第39条第7項
年5日の年次有給休暇を取得させなかった場合。労働基準法
第120条
30万円以下の罰金 
労働基準法
第89条
使用者による時季指定を行う場合
において、就業規則に記載してい
ない場合。
労働基準法
第39条
(第7項を除く)
労働者の請求する時季に所定の年
次有給休暇を与えなかった場合。
労働基準法
第119条
6か月以下の懲役または
30万円以下の罰金

※罰則による違反は、対象となる労働者1人につき1罪として取り扱われます。

まとめ

年5日の年休の取得義務化により、働き方改革につながっている方が多いと思います。

いや、働き方改革につなげないとですね。

「使用者による時季指定」、「労働者自らの請求・取得」、「計画年休」のいずれかの方法で年5日以上の年休を取得すればOKです。

2019年4月より罰則ありで施行されたため、遵守している企業が大半だと思います。

労働者1人につき30万円以下の罰金は結構な痛手ですし、なによりブラック企業として名が知れてしまうリスクもあるので。

年5日の年休の取得は最低限の基準なので、可能な限り年休を取得できるような環境が大事ですね。

年5日の年休の取得は義務規定です!