令和2年12月16日付で厚生労働省のプレスリリースより、令和2年「労働組合基礎調査」の結果が公表されました。
今回の結果については、社労士試験における「労一」の科目にて出題が狙われるものになります。
そのため、社労士試験として大事な部分を以下にまとめてお伝えします。
ご参考にどうぞ!
各用語の定義(整理)
労働組合とは?
労働者が主体となって、自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体及びその連合団体を指します。
推定組織率とは?
雇用者数に占める労働組合員数の割合をいい、本調査で得られた労働組合員数を、総務省
統計局が実施している「労働力調査」の雇用者数(6月分の原数値)で除して計算しています。
調査結果
全体
【労働組合数】
年度 | 労働組合数 | 対前年増減率 |
平成30年 | 24,328 | ▲0.6% |
令和元年 | 24,057 | ▲1.1% |
令和2年 | 23,761 | ▲1.2% |
【労働組合員数】
年度 | 労働組合員数 | 対前年増減率 |
平成30年 | 10,070千人 | +0.9% |
令和元年 | 10,088千人 | +0.2% |
令和2年 | 10,115千人 | +0.3% |
【推定組織率】
年度 | 推定組織率 | 対前年増減率 |
平成30年 | 17.0% | ▲0.1% |
令和元年 | 16.7% | ▲0.3% |
令和2年 | 17.1% | +0.4% |
女性
女性はすべてにおいて、対前年比で増加しています。
【労働組合員数】
年度 | 労働組合員数 | 対前年増減率 |
平成30年 | 3,357千人 | +2.7% |
令和元年 | 3,385千人 | +0.8% |
令和2年 | 3,435千人 | +1.5% |
【推定組織率】
年度 | 推定組織率 | 対前年増減率 |
平成30年 | 12.6% | +0.1% |
令和元年 | 12.4% | ▲0.2% |
令和2年 | 12.8% | +0.4% |
パートタイム労働者
パートタイム労働者についても上記の女性と同様、すべてにおいて、対前年比で増加しています。
また、過去最高の結果も出ています。
【労働組合員数】
年度 | 労働組合員数 | 対前年増減率 |
平成30年 | 1,296千人 | +7.3% |
令和元年 | 1,333千人 | +2.8% |
令和2年 | 1,375千人 | +3.1% |
※令和2年度の結果は過去最高になっています。
【推定組織率】
年度 | 推定組織率 | 対前年増減率 |
平成30年 | 8.1% | +0.2% |
令和元年 | 8.1% | ±0% |
令和2年 | 8.7% | +0.6% |
※令和2年度の結果は過去最高になっています。
【全労働組合員数に占める割合】
年度 | 全労働組合員数に占める割合 | 対前年増減率 |
平成30年 | 13.0% | +0.8% |
令和元年 | 13.3% | +0.3% |
令和2年 | 13.7% | +0.4% |
※令和2年度の結果は過去最高になっています。
産業別
企業数の多さといった面もあり、「労働組合数」は製造業が圧倒的に多い(シェアを占めている)結果になっています。
【労働組合数】
産業 | 労働組合員数 | シェア |
製造業 | 2,674千人 | 26.6% |
卸売業・小売業 | 1,494千人 | 14.9% |
運輸・郵便業 | 848千人 | 8.4% |
※上位3産業になります。
【推定組織率】
産業 | 推定組織率 |
複合サービス事業 | 53.6% |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 52.7% |
金融業・保険業 | 46.4% |
※上位3産業になります。
企業規模別(民間企業)
「労働組合員数(単位労働組合)」は全体では8,763千人と前年比で59千人(+0.7%)増加しています。
企業規模別にみると、1,000人以上の企業規模で全体の6割以上を占めています。
また、「推定組織率」については、企業規模が大きいほど高い結果となっています。
【労働組合員数】
企業規模 | 労働組合員数 | 対前年増減率 |
全体(計) | 8,763千人 | +0.7% |
1,000人以上 | 5,769千人 | +1.5% |
300~999人 | 1,151千人 | ▲0.7% |
100~299人 | 586千人 | ▲1.4% |
30~99人 | 181千人 | ▲2.1% |
29人以下 | 24千人 | ▲5.9% |
その他 | 1,052千人 | ▲0.4% |
【推定組織率】
企業規模 | 推定組織率 |
全体(計) | 16.2% |
1,000人以上 | 41.8% |
300~999人 | 11.3% |
100~299人 | 11.3% |
30~99人 | 0.9% |
29人以下 | 0.9% |
その他 | - |
引用元:厚生労働省 プレスリリース
まとめ
社労士試験としては、労働組合数や推定組織率等、対前年比での増減と併せて、最終的な結果(着地)も押さえておきたいですね。
特に、世の中の流れとして「女性」の部分を切り取った結果の他、過去最高の結果となった「パートタイム労働者」についても狙われそうです。
何度も目にしていけば長期記憶として大まかな傾向の他、数字も自然と頭に入ってくると思います。
結果を踏まえてですが、当然ながら企業規模が大きいほど「推定組織率」が高くなっていますね。
労働組合がある方が、労働者の労働条件等の改善や向上が期待されると思いますので、このような面からも企業規模が大きい方(大企業)が相対的に労働者は守られていると言えますね。