2019年10月、消費税が10%に引き上げられましたが、その消費税増税分は「社会保障制度」の財源に使われるようです。
また現政権では、「全世代型社会保障改革の検討」が行われていますが、そもそも「社会保障制度」とは何を指しているのか?
知識の整理として概要をまとめてみたいと思います。
4つの柱
「社会保障制度」とは、疾病、負傷、出産、死亡等による生活の急変(不安定化)に対して、社会全体でサポートする仕組みです。
「社会保障制度」には以下4つの柱があります。
- 社会保険制度
- 社会福祉制度
- 公的扶助制度
- 保険医療・公衆衛生
一つずつ概要を説明します。
①社会保険制度
病気、負傷、障害等に対して、国民が納める保険料を主な財源として給付を行うものです。
一般的には3割負担の医療(健康)保険や老後生活に備える年金保険、その他介護保険、労災保険、雇用保険等があり、生活水準の悪化を一定程度カバーしています。
②社会福祉制度
高齢者、障がい者、母子・父子家庭等、経済的な困窮を避けるため、各種助成金や給付金があります。
世間一般的に馴染みのあるものとしては児童手当があります。その他、福祉資金貸付や障がい者の自立支援(手当等)があります。
③公的扶助制度
「全ての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」という日本国憲法第25条に基づいて、公的扶助制度は定められています。
公的扶助制度の中に、生活保護制度が含まれています。
生活保護制度は以下8種類あります。
- 「生活扶助」
- 「住宅扶助」
- 「教育扶助」
- 「医療扶助」
- 「出産扶助」
- 「介護扶助」
- 「生業扶助」
- 「葬祭扶助」
ちなみに、私は社労士の勉強をするまでは生活扶助しか知りませんでした。
なお、社会保険は国民からの保険料を財源の一部にしていることに対して、公的扶助は税金を財源にしてします。
④保険医療・公衆衛生
厚生労働省や保健所等が国民の健康の維持や公衆衛生の観点から、地域の健康診断の他、感染症や災害対策等、幅広い領域で管理、対応しています。
今後について
「社会保障制度」の4つの柱について概要を説明しましたが、それぞれ深堀りして勉強していくと、日本の「社会保障制度」がいかに手厚いかが見えてきます。
特に高齢者向けの保障は高齢者自身の負担に比して優れています。
少子高齢化で生産年齢人口が減少している日本において、現状の社会保障制度を維持していく前提ならば、負担増加は避けられません。それに加えて、賃金も伸び悩んでいます。
「社会保障制度」は私たちの生活に身近なものです。
現在、「全世代型社会保障改革の検討」が行われていますが、これは大きな改革であり、大なり小なり国民全員に影響があります。
まずはその根本となる「社会保障制度」について理解することが今まで以上に求められる気がしています。